この記事の要点: 国の補助金はポータブル電源が対象外。江戸川区や藤枝市など一部自治体に1万円前後の購入費補助の実例があります。
ベランダソーラーの機材をそろえようとすると、太陽光発電パネルとポータブル電源(持ち運びできる蓄電池)で合計5万円から10万円ほどかかります。この出費に補助金は使えないのか。購入を検討している方から出てきやすい疑問だと思います。
この記事では、国と自治体の補助金の現状を、2026年8月時点で公式サイトを確認できた制度に絞って整理します。先に結論を示すと、国の補助金は使えませんが、一部の自治体には使える制度があります。
なお、補助金の制度は年度ごとに変わります。この記事の内容はすべて2026年8月時点の確認結果であり、申請の際は必ずお住まいの自治体の公式サイトで最新の情報を確認してください。
結論の全体像。国の補助金は対象外、一部の自治体に実例があります
まず国の制度です。2026年8月時点で、国が家庭向けに実施している蓄電池関連の補助事業(経済産業省所管のDR家庭用蓄電池事業など)は、住宅に固定して電力系統(電力会社の送配電網)に接続する定置型蓄電池を対象としています。補助を受けるには登録された機器を工事を伴って設置する必要があり、ベランダに置くポータブル電源は対象に含まれていません。国の補助金でベランダソーラーの機材を買える制度は、私が調べた範囲では見当たりませんでした。
一方、自治体単位では、防災や脱炭素を目的にポータブル電源(自治体の制度では「ポータブル蓄電池」と呼ばれることが多いです)の購入費を補助する例が存在します。数は多くありませんが、次の節で公式サイトを確認できた実例を紹介します。
確認できた自治体の実例。2026年8月時点で2つの制度がありました
東京都江戸川区。ポータブル蓄電池の購入費を一律1万円補助
江戸川区は「気候変動に備え、脱炭素を目指す補助金」の一つとして、ポータブル蓄電池購入費補助を実施しています。令和8年度(2026年度)も継続しており、補助額は一律1万円です。
対象となる機器には条件があります。蓄電容量が400Wh以上であること、持ち運びできる太陽光発電パネルで充電できること、AC100Vの出力端子を備えていることです。市販の中容量クラス以上のポータブル電源であれば満たせる内容ですが、購入前に製品の仕様を確認しておく必要があります。申請は購入後に行う方式で、領収書や製品カタログ、購入した機器の写真などの提出が求められます。
静岡県藤枝市。購入費の3分の1、上限1万円を補助
静岡県藤枝市は家庭用ポータブル蓄電池等購入費補助金を実施しています。令和8年度の受付期間は2026年4月1日から2027年2月26日までで、補助額は購入費(税抜)の3分の1、上限1万円です。
対象は、太陽電池で充電できる可搬型で、AC100Vの出力端子を備えた機器です。江戸川区と異なり、こちらは購入前の事前申請が原則となっています。先に買ってしまうと補助を受けられない可能性があるため、申請の順序に注意が必要です。
東京都の蓄電池助成は定置型が対象で、ポータブル電源は使えません
参考までに、都道府県レベルの制度にも触れておきます。東京都は家庭における蓄電池導入促進事業として、蓄電容量1kWhあたり10万円(上限120万円/戸)という手厚い助成を行っていますが、対象は住宅に設置する定置型蓄電池システムのみで、ポータブル電源は対象外です。また、助成対象機器の所有者であることが要件になるため、賃貸住宅にお住まいの方は実質的に利用が難しい制度です。
区市町村レベルでも同様の傾向があります。たとえば東京都港区の蓄電システム助成は、登録された定置型蓄電池を工事着工前の申請で設置する制度であり、ポータブル電源は対象に含まれていません。「蓄電池の補助金がある」という情報を見つけても、定置型だけが対象という制度が大半である点は押さえておく必要があります。
補助金の探し方。自治体名と「蓄電池
補助金」で公式サイトを確認します
お住まいの自治体に制度があるかどうかは、「自治体名 蓄電池
補助金」や「自治体名 ポータブル電源
補助」で検索し、必ず自治体の公式サイト(ドメインが city.〜.lg.jp や
city.〜.tokyo.jp
などのページ)で確認してください。メーカーや販売店のまとめ記事は網羅的で便利ですが、情報が古いまま残っていることがあり、そのまま信用するのは危険です。
公式サイトを確認する際のチェックポイントは次の4つです。
- ポータブル型が対象か。「蓄電池」とだけ書かれている制度は定置型のみが対象のことが多いため、可搬型・ポータブル型が明記されているかを確認します
- 申請のタイミング。藤枝市のように購入前の申請が条件の制度では、先に買うと補助を受けられない可能性があります
- 募集期間と予算枠。多くの制度は先着順で、予算がなくなり次第年度の途中でも受付を終了します
- 機器の条件。蓄電容量の下限や、太陽光発電パネルで充電できることを要件にする制度があります
注意点。制度は年度で変わります
自治体の補助金は単年度の予算で運用されるため、今年度あった制度が来年度もあるとは限りませんし、補助額や条件が変わることもあります。逆に、今年度は制度がない自治体でも、来年度から新設される可能性はあります。
この記事で紹介した内容は2026年8月時点の確認結果です。補助額は1万円前後と、機材の購入費全体から見れば補助的な金額ですが、申請の手間は大きくありません。購入を決めたタイミングで一度、お住まいの自治体の公式サイトを確認してみることをおすすめします。
ベランダソーラーの実践記事を note
でも公開しています。機材の選び方や実際の設置手順は note(ベランダソーラーエンジニア)
をご覧ください。
よくある質問
Q. ポータブル電源に国の補助金は使えますか?
A.
使えません。国が家庭向けに実施している蓄電池関連の補助事業は、住宅に固定して電力系統に接続する定置型蓄電池が対象で、ポータブル電源は含まれていません(2026年8月時点)。
Q. 補助金が出る自治体はありますか?
A.
東京都江戸川区(一律1万円)や静岡県藤枝市(購入費の3分の1・上限1万円)などに、ポータブル蓄電池の購入費を補助する実例があります(2026年8月時点)。
Q. 申請のタイミングで注意することはありますか?
A.
藤枝市のように購入前の事前申請が原則の制度では、先に買ってしまうと補助を受けられない可能性があります。申請の順序を必ず確認してください。
Q. 自分の自治体の制度はどう調べればよいですか?
A. 「自治体名 蓄電池
補助金」で検索し、必ず自治体の公式サイトで、ポータブル型が対象か・申請のタイミング・募集期間と予算枠・機器の条件の4点を確認してください。
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