ベランダソーラーの実測データ(毎月更新)

このページの要点: 賃貸ベランダの100Wパネル+768Whポータブル電源で実際に測った数字だけを載せています。毎月更新します。

このページは、当サイトの運営者(太陽光発電業界で15年以上働くエンジニア)が、自宅の賃貸住宅のベランダに設置した機材で実際に測った数字をまとめた常設ページです。カタログ値や理論値ではなく、測った日時と条件をセットにした一次データだけを載せています。新しい実測が増えるたびに、このページに追記していきます。

最終更新: 2026年8月26日

測定環境

すべての実測は、次の環境で行っています。

項目 内容
設置場所 静岡県・賃貸住宅の南向きベランダ
運用開始 2025年1月
ポータブル電源 Anker SOLIX C800 Plus(容量768Wh・定格出力1200W・LFP)
ソーラー入力仕様 XT-60端子・11〜60V・最大10A・最大300W
常設パネル Oasis Solar OM-100B(100W・単結晶・硬質アルミフレーム)
パネルの設置 手すりに掛けず、エアコン室外機カバーラックの上に架台を載せ約60度に傾斜。ストラップ固定
配線 パネル(MC4)→ MC4延長ケーブル2m → 付属ソーラー充電ケーブル →
室内のポータブル電源
持ち出し用パネル Anker Solix
PS200(200W・折りたたみ式)※ベランダ常設には不向きでキャンプ・帰省用

パネルの電気的仕様は、裏面ラベルの実写で確認した値です。

項目
最大出力 100W
最大出力動作電圧 / 電流 18.56V / 5.39A
開放電圧 Voc 21.76V(ラベル実測で確認)
短絡電流 Isc 5.72A

実測1:
冬の午前、100Wパネルの瞬時発電は82Wでした

  • 測定日時: 2025年1月5日 10:06
  • 設置状態:
    上記の常設構成(架台で約60度)。7分前に撮影した設置写真あり
  • 結果: DC入力
    82W(定格100Wに対して82%

1月の南中前という条件で定格の8割が出ています。手すりへの垂直掛けでなく、架台で角度をつけた設置の実力を示す数字だと考えています。

注意点をひとつ。この82Wは「その瞬間の発電電力」で、条件が良いときのピーク値です。1日の積算発電量は、朝夕の低い太陽や温度上昇を含むため、当サイトでは「定格W×等価日射時間2.5時間×損失係数0.7=約175Wh/日」という保守的な前提で計算しています。瞬時のピークと日量の係数は別物です。

実測2:
充電しながら110W給電中の本体温度は39℃でした

  • 測定日時: 2025年1月5日 10:06(実測1と同時)
  • 状態:
    ソーラー充電(入力82W)+家電への給電(出力110W)のパススルー動作中。残量75%
  • 結果: バッテリー温度 39℃

冬でも、充電と給電を同時に行うと本体は40℃近くまで上がります。C800
Plusの動作上限は40℃です。「ポータブル電源の本体は直射日光の当たらない室内に置く」という当サイトの推奨は、この実測が根拠のひとつになっています。

実測3:
薄曇りの日の発電は17〜42Wでした(折りたたみ200Wパネル)

  • 測定日: 2026年8月(実家に持ち出して測定)
  • 機材: Anker Solix
    PS200(200W・折りたたみ式)※常設パネルとは別
  • 結果: DC入力
    17〜42W(定格200Wに対して1〜2割)

薄曇りになると、発電は定格の1〜2割まで落ちます。防災の記事で「曇天の発電は晴天の3分の1から10分の1」と書いている根拠側の実感です。この電力でも、Nintendo
Switch
のTVモード(約7W)を動かしながらポータブル電源の残量を維持できました。

実測4:
実容量テスト(測定中・2026年8月26日開始)

購入から約1年8か月使ったC800
Plusから、実際に何Whを取り出せるかを測定しています。負荷は自宅の冷蔵庫(AQUA
AQR-VZ43N・430L・2023年製)で、ソーラー入力を切り離し、満充電から放電させる方式です。

途中経過から言えることが、すでに2つあります。

冷蔵庫の実測消費は41〜56Wで、カタログ換算値の1.3〜1.8倍でした。
この冷蔵庫の年間消費電力量は270kWh/年で、単純に割ると平均約30.8Wになります(270,000Wh
÷ 365日 ÷
24時間)。実測はそれより高く、8月の実使用(周囲温度が高い)とJISの測定条件の差が出ていると見ています。カタログの年間消費電力量から停電時の持ち時間を計算すると、真夏は楽観的すぎる結果になる、ということです。

冷蔵庫の消費は一定ではありません。
同じ時刻の表示でも43Wと45Wというように変動します。インバーター制御のコンプレッサーが回転数を変えているためで、昔ながらの「入り切りの比率」の考え方は当てはまりませんでした。

満充電から空までの確定値(取り出せた総Wh・定格768Whとの比・残時間表示との差)は、テスト完了後にこのページを更新して掲載します。

当サイトの計算前提(全記事で統一)

実測と併せて、当サイトの試算記事で使っている前提を明示しておきます。

前提 根拠
等価日射時間(東京・南向き垂直面) 2.5時間/日 NEDO日射量データベースの実値(約3.1)より低めの保守側
損失係数 0.7 温度上昇・変換損失・汚れ等を織り込む慣用値
電気単価 31円/kWh 実効単価28〜34円/kWhのほぼ中央
100Wパネルの日量目安 約175Wh/日 100W × 2.5h × 0.7

今後追加する予定の実測

  • 日次の発電記録(日付・天気・発電量Whの記録。2026年9月から開始予定)
  • パネル2枚の並列と直列の発電量比較(影の多いベランダでどちらが有利かの実測)
  • 実容量テストの確定値(実測4の完了値)

よくある質問

Q. なぜ実測データを公開しているのですか?

A.
ベランダソーラーの情報はカタログ値や理論値ベースのものが多く、「実際にやるとどうなるか」の数字が不足していると感じているためです。うまくいかなかった数字(薄曇りで定格の1〜2割など)もそのまま載せます。

Q. 実測値はどの環境でも同じになりますか?

A.
なりません。方位・角度・影・季節・機材で変わります。このページの値は測定環境の欄に書いた条件での結果であり、ご自身の環境での目安に補正して使ってください。補正の考え方は「ベランダソーラーの置き方」に整理しています。

Q. 測定には何を使っていますか?

A.
ポータブル電源本体の表示とAnkerアプリの表示を基本に、日時をファイル情報で確定できるスクリーンショットと写真で記録しています。電圧・電流測定器によるスポット計測も順次追加します。